透水性舗装とは?メリット・デメリット、種類や構造、施工事例を解説

2026.10.25

「雨水は、流すだけでいいのでしょうか?」

近年相次ぐ記録的な豪雨。今、街づくりには雨水を地中へ浸透させるという新たな視点が求められています。

近年、各地で相次ぐ局地的な豪雨。こうした状況を背景に、建築や外構の設計においても、雨水をいかに適切に処理するかが、これまで以上に重要な課題となっています。

そこで注目したいのが、「雨水を流すだけでなく、地面に浸透させる」という考え方です。

その選択肢の一つが「透水性舗装」です。

通常の舗装では、地面に降った雨水の多くが側溝や排水施設へ流れ込みます。一方、透水性舗装は、雨水を舗装内部へ通し、地中への浸透を促すことで、雨水の流出抑制に役立ちます。

もちろん、透水性舗装だけですべての浸水被害を防げるわけではありません。しかし、建物の外構や歩道、公園など、身近な場所から雨水対策を考えるうえで、有効な選択肢となります。

では、透水性舗装とは具体的にどのような仕組みで、一般的な舗装と何が違うのでしょうか。

この記事では、透水性舗装のメリット・デメリット、種類や構造、設計・施工時の注意点について、舗装材料メーカーの視点からわかりやすく解説します。

1.透水性舗装とは?

一般舗装と透水性舗装の比較

透水性舗装と排水性舗装の違い

透水性舗装と混同されやすいものに「排水性舗装」があります。

どちらも舗装表面から水を取り込む構造ですが、その後の雨水の流れが異なります。

  • 透水性舗装:雨水を舗装内部から路盤・路床へ浸透させる構造
  • 排水性舗装:舗装表面から取り込んだ雨水を、不透水層の上で横方向に流し、側溝などへ排水する構造

つまり、透水性舗装は雨水を地中へ浸透させることを目的とし、排水性舗装は舗装表面の雨水を速やかに排除することを主な目的としています。

舗装材料の表面が水を通すだけでは、必ずしも地中への浸透につながりません。設計にあたっては、表層だけでなく下地や路盤を含めた構造を確認することが重要です。

2.透水性舗装のメリット

① 水たまりを軽減できる

透水性舗装の大きなメリットは、雨水が舗装内部へ浸透することで、舗装表面に水がたまりにくくなることです。

公園の園路、歩道、建物のエントランス、住宅のアプローチなど、歩行者が利用する場所で効果が期待できます。

ただし、雨量が舗装の浸透能力を上回る場合や、下地の透水性が不足する場合には、水たまりが発生することもあります。

② 雨水の流出を抑制できる

通常の舗装では、雨水の多くが側溝や排水管へ流れ込みます。

透水性舗装では、雨水の一部を地中へ浸透させたり、舗装内部に一時的に貯留したりすることで、排水施設への流出量や流出速度を抑える効果が期待できます。

近年増加している短時間の強い降雨への対策としても、雨水浸透施設などと組み合わせた活用が考えられます。

③ 自然の水循環に配慮できる

地中へ雨水を浸透させる構造は、地下水の涵養や土壌への水分供給に役立ちます。

都市部では建物や舗装によって地表面が覆われる面積が多いため、雨水を地中へ還元する仕組みは、環境に配慮した外構計画の選択肢となります。

④ 景観性の高い舗装も選べる

透水性舗装には、機能性を重視したアスファルトやコンクリートのほか、天然石を使用した樹脂舗装などがあります。

天然石を使用した舗装では、石の色や粒径、組み合わせによって、建物や周囲の景観に合わせた仕上がりを選ぶことができます。

透水機能と意匠性を両立させたい場所では、こうした景観舗装も有効な選択肢となります。

3.透水性舗装のデメリットと注意点

① 経年によって透水性能が低下することがある

透水性舗装は、舗装内部の空隙を利用して雨水を浸透させます。

そのため、土砂や細かなごみなどが空隙に入り込むと、目詰まりによって透水性能が低下する場合があります。

周囲から土砂が流入しやすい場所では、維持管理方法も含めた検討が必要です。

② 下地や地盤の条件に影響される

透水性舗装を採用する際には、表面の舗装材だけでなく、路盤や路床の状態も重要です。

たとえば、透水性の低い地盤では、舗装内部を通過した雨水が十分に地中へ浸透しない場合があります。

また、地下構造物や建物基礎への影響、地盤の安定性などにも配慮する必要があります。

③ 用途に適した強度の確認が必要

透水性舗装は内部に空隙を持つ構造のため、使用する材料によって強度や耐久性が異なります。

歩行者専用の通路と、車両が乗り入れる駐車場とでは求められる性能が異なるため、用途に応じた材料と舗装構造を選ぶ必要があります。

特に車両の切り返しや据え切りが発生する場所では、表層への負荷も考慮することが大切です。

④ 一般舗装より費用が高くなる場合がある

透水性舗装は、使用する材料や路盤構成、施工条件によって工事費が変わります。

意匠性の高い材料や特殊な舗装システムを採用する場合には、一般的な舗装と比べて初期費用が高くなることがあります。

材料費だけでなく、下地工事や維持管理を含めて比較することが重要です。

4.透水性舗装の主な種類と特徴

透水性舗装には、さまざまな材料や工法があります。ここでは代表的な種類を紹介します。

① 透水性アスファルト舗装

透水性アスファルト舗装は、アスファルト混合物の内部に連続した空隙を設け、雨水が浸透できるようにした舗装です。

一般的に歩道や公園の園路などで採用されています。

比較的広い面積にも施工しやすく、機能性を重視した舗装として利用されています。

一方、一般的な黒色のアスファルトでは意匠表現に制約があるほか、経年による目詰まりにも注意が必要です。

② 透水性コンクリート舗装

透水性コンクリート舗装は、骨材同士の間に連続した空隙を形成することで、水を通す構造としたコンクリート舗装です。

ポーラスコンクリートとも呼ばれます。

歩道や広場、外構などに用いられますが、通常の密実なコンクリートとは構造が異なるため、用途に応じた強度や施工品質の確認が必要です。

③ 透水性インターロッキングブロック舗装

透水機能を持つブロックを敷き並べた舗装です。

ブロック自体が水を通すタイプや、目地部分から雨水を浸透させるタイプなどがあります。

色や形状の選択肢があり、歩道や公園、広場などの景観づくりにも利用されています。

採用にあたっては、ブロック本体だけでなく、敷砂や路盤の構造も確認する必要があります。

④ 天然石樹脂透水舗装

天然石と樹脂を組み合わせた透水性舗装です。

天然石の粒子同士を樹脂で結合し、石の間に水が通る空隙を確保することで透水性を持たせます。

天然石ならではの風合いや色彩を活かせるため、建物のエントランス、商業施設、公園、遊歩道など、意匠性を重視した場所に適しています。

ただし、舗装材自体に透水性があっても、下地が不透水性コンクリートの場合には、雨水はそのまま地中へ浸透しません。

雨水を地中へ浸透させる目的で採用する際には、下地を含めた透水構造の検討が必要です。

5.透水性舗装を設計する際のポイント

透水性舗装は、表面仕上げだけで性能が決まるものではありません。

計画する際には、次のような項目を確認する必要があります。

下地・路床の透水性

舗装を通過した雨水を地中に浸透させる場合には、路床の透水能力を確認することが重要です。

舗装の強度・耐久性

歩行者のみが利用する場所か、車両が通行する場所かによって、必要な強度や構造は変わります。

雨水の排水計画

透水性舗装であっても、すべての雨水を地中に浸透できるとは限りません。計画降雨や地盤条件に応じて、適切な排水経路やオーバーフロー対策を設ける必要があります。

周辺環境と維持管理

土砂の流入、落ち葉の堆積、利用頻度などによって、維持管理の条件が異なります。

設計段階からこれらの条件を確認することで、透水機能と耐久性の両立につながります。

6.天然石の景観性と透水性を両立する舗装

透水性舗装を検討する際、機能性だけでなく、建物や外構との調和を重視するケースもあります。

とくに商業施設のエントランスや公園、公共施設の外構などでは、雨水対策とともに、舗装の色彩や質感も重要な設計要素となります。

こうした場所では、天然石を使用した透水性樹脂舗装も選択肢の一つです。

ヤブ原産業では、天然石の風合いと透水性を活かした舗装材として「アーバンロック」や「トウスイ40」を取り扱っています。

アーバンロック|天然石樹脂透水舗装材

アーバンロックは、天然石を樹脂で結合した透水性舗装材です。

天然石の色彩や質感を活かした仕上がりが特徴で、公園や歩道、エントランスなどの景観舗装に使用できます。

舗装材自体には透水性がありますが、雨水の排水方法は下地構造によって異なります。

トウスイ40|天然石透水舗装システム

トウスイ40は、天然石の意匠性を持つ表層材と透水性のあるベース材を組み合わせた舗装システムです。

従来のコンクリート下地を必要とせず、雨水を路床まで浸透させることを目的とした構造が特徴です。

標準的な舗装構成は、ベース材30mmと表層仕上材10mmを合わせた40mm厚です。

また、天然石の色や組み合わせによって、周囲の景観に合わせた仕上がりを選ぶことができます。

雨水浸透機能と天然石の景観性を両立させたい歩道や建物外構などで、検討いただける舗装システムです。

なお、採用にあたっては、地盤の透水性、路盤構成、荷重条件などの確認が必要となります。

7.透水性舗装の施工事例・主な用途

透水性舗装は、用途や景観条件に合わせてさまざまな場所で採用されています。

公園・遊歩道

雨天時の水たまり対策や歩行環境への配慮が求められる場所です。

周囲の緑地や自然環境と調和する舗装材が選ばれることもあります。

商業施設・公共施設のエントランス

歩きやすさとともに、建物の印象に合ったデザイン性が求められる場所です。

天然石を用いた透水性樹脂舗装など、仕上がりの質感や色彩を選べる舗装が適しています。

住宅のアプローチ・外構

限られた外構スペースでも、雨水処理への配慮と意匠性を両立させたい場合があります。

建物の外観や植栽との調和を考えながら、舗装材を選定することができます。

8.透水性舗装についてよくある質問

Q. 透水性舗装は駐車場にも使用できますか?

駐車場に対応した透水性舗装もあります。ただし、車両の重量や通行頻度、切り返しの有無などによって適した材料や構造が異なります。採用する製品の適用条件を確認してください。

Q. 透水性舗装は水たまりがまったくできないのですか?

透水性舗装でも、降雨量が浸透能力を上回った場合や、下地の透水性が低い場合などには水たまりが発生することがあります。適切な排水計画との併用が重要です。

Q. 透水性舗装は経年で性能が低下しますか?

土砂や細かなごみなどによる目詰まりによって、透水性能が低下する場合があります。性能の維持には、使用環境に応じた点検や清掃が必要です。

Q. 透水性舗装にはどのような仕上げがありますか?

アスファルト、ポーラスコンクリート、インターロッキングブロック、天然石樹脂舗装などがあります。求められる機能や意匠性、用途に応じて選ぶことができます。

9.まとめ|透水性舗装は機能・構造・デザインを考えて選ぶ

透水性舗装は、雨水を舗装内部へ浸透させることによって、水たまりの軽減や雨水流出の抑制などが期待できる舗装です。

ただし、舗装材の種類によって強度や意匠性、施工方法は異なり、下地構造や地盤条件によっても性能が変わります。

そのため、設計時には表層材だけでなく、下地を含めた舗装全体の構造を検討することが大切です。

また、天然石を使用した透水性舗装など、機能性と景観性を両立できる材料もあります。

ヤブ原産業では、天然石樹脂舗装をはじめ、さまざまな景観舗装材を取り扱っています。

透水性舗装の製品選定や施工方法、設計仕様についてのご相談、カタログ・サンプルのご依頼などがございましたら、お気軽にお問い合わせください。

透水性舗装をご検討の方へ

ヤブ原産業では、天然石の意匠性と透水性を兼ね備えた舗装材をご提案しています。

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