透水性舗装の種類と選び方|アスファルト・コンクリート・天然石舗装を徹底比較

2026.10.26

「透水性舗装、何を基準に選べばよいのでしょうか?」

雨水を地中へ浸透させる透水性舗装には、アスファルトやコンクリート、インターロッキングブロック、天然石樹脂舗装など、さまざまな種類があります。

いずれも雨水を通す機能を備えていますが、強度や施工方法、デザイン性、コスト、維持管理の方法には違いがあります。

例えば、公園の園路には施工性や維持管理を重視した舗装、商業施設のエントランスには景観性を重視した舗装など、利用する場所によって適した材料は変わります。

また、透水性舗装を選ぶ際には、表面の舗装材だけでなく、下地構造や雨水の排水方法まで考えることが重要です。

今回は、代表的な4種類の透水性舗装について、それぞれの特徴やメリット・デメリットを比較しながら、用途に応じた選び方を舗装材料メーカーの視点から解説します。

1. 透水性舗装を選ぶ際に重要な4つのポイント

透水性舗装を検討する際、まず確認したいのは「どこに、何のために使用するのか」ということです。

舗装材にはそれぞれ特徴があり、必ずしも一つの材料がすべての用途に適しているわけではありません。

選定にあたっては、次の4つのポイントを確認しましょう。

① 使用する場所と必要な強度

歩行者専用の園路と、自動車が通行する駐車場では、舗装に求められる強度が異なります。

歩行者の利用が中心であれば、歩行性や景観性を重視した舗装を選びやすくなります。

一方、車両が乗り入れる場所では、車両重量に加え、発進・停止・切り返しによる舗装面への負荷も考慮する必要があります。

② 透水性能と雨水の排水方法

透水性舗装の目的は、雨水を舗装内部へ浸透させることですが、その後の雨水の処理方法は舗装構造によって異なります。

舗装表面だけが水を通すタイプもあれば、透水性のある路盤と組み合わせ、地中への浸透を図るタイプもあります。

雨水流出の抑制を目的とする場合には、舗装材単体の性能だけでなく、下地を含めた構造を確認することが重要です。

③ 景観性とデザインの自由度

公園や商業施設、建物のエントランスなどでは、舗装の機能性だけでなく、周辺環境との調和も求められます。

色彩や模様、質感を重視する場合には、インターロッキングブロックや天然石樹脂舗装などが選択肢になります。

④ 初期費用と維持管理

舗装材によって材料費や施工費、工期は異なります。

また、透水性舗装は土砂などによる目詰まりで性能が低下する場合があるため、清掃や補修などの維持管理も重要です。

初期費用だけでなく、施工後の管理も含めて検討しましょう。

2. 代表的な4種類の透水性舗装を比較

透水性舗装にはさまざまな工法がありますが、代表的なものとして次の4種類が挙げられます。

  • 透水性アスファルト舗装
  • 透水性コンクリート舗装
  • 透水性インターロッキングブロック舗装
  • 天然石樹脂透水舗装

それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。

① 透水性アスファルト舗装|広い歩道や園路に

透水性アスファルト舗装は、アスファルト混合物の内部に連続した空隙を設け、雨水が舗装内部を通過できるようにしたものです。

一般的なアスファルト舗装と同様に機械施工が可能で、広い面積の施工にも適しています。

主なメリット

  • 広い面積でも施工しやすい
  • 歩道や園路などに採用しやすい
  • 比較的シンプルな外観に仕上がる
  • 雨水の表面流出を軽減できる

主なデメリット

  • 一般的な黒色舗装では意匠性に制約がある
  • 土砂などによる目詰まりが発生することがある
  • 下地や路床の条件によって浸透能力が左右される

歩道や公園など、広い面積に均一な舗装を設けたい場合に検討しやすい工法です。

② 透水性コンクリート舗装|耐久性と機能性を重視

透水性コンクリート舗装は、骨材同士の間に連続した空隙を設けることで、水を通す構造としたコンクリート舗装です。

ポーラスコンクリートとも呼ばれ、歩道や広場、外構などで使用されています。

主なメリット

  • コンクリート系材料ならではの剛性がある
  • 雨水を通す機能を備えている
  • 骨材や配合によって舗装性能を調整できる
  • 用途に応じた製品や工法を選択できる

主なデメリット

  • 空隙を持つため通常の密実なコンクリートとは強度特性が異なる
  • 施工時の締固めや養生などの品質管理が重要
  • 目詰まりによる透水性能の低下に注意が必要

採用する際には、透水性と強度の両立を図り、必要な性能を満たす仕様を選定することが重要です。

③ 透水性インターロッキングブロック舗装|色やパターンを活かした舗装

透水性インターロッキングブロック舗装は、雨水を通す機能を持つコンクリートブロックを敷き並べる舗装です。

ブロック自体に透水性を持たせたものや、専用の目地を通じて雨水を浸透させるものなどがあります。

色や形状、敷設パターンの組み合わせによって、さまざまなデザインが可能です。

主なメリット

  • 色や形状のバリエーションが豊富
  • 敷設パターンによるデザインが可能
  • 部分的な撤去や復旧に対応しやすい
  • 歩道や広場などで採用実績がある

主なデメリット

  • ブロックの敷設に手間がかかる場合がある
  • 目地や敷砂、路盤の適切な施工が必要
  • 下地の沈下などによって段差が生じる可能性がある

デザイン性と維持管理のしやすさを重視する歩道や広場などに適した選択肢です。

④ 天然石樹脂透水舗装|自然な風合いと景観性を重視

天然石樹脂透水舗装は、天然石の骨材を樹脂で結合させ、石の間に連続した空隙を確保することで透水性を持たせた舗装です。

天然石の色彩や質感を活かした仕上がりが特徴で、建物の外構や公園、商業施設のエントランスなど、景観性が求められる場所に適しています。

また、現場で材料を敷きならす湿式工法では、曲線や複雑な形状にも対応しやすいという特徴があります。

主なメリット

  • 天然石ならではの色彩や風合い
  • 石の組み合わせによる多彩なデザイン
  • 曲線や複雑な形状にも対応しやすい
  • 舗装表面の水たまりを軽減できる

主なデメリット

  • 一般的な舗装より材料費や施工費が高くなる場合がある
  • 樹脂の種類や配合によって耐久性が異なる
  • 下地の状態や施工品質が仕上がりに影響する
  • 地中への雨水浸透には下地構造の検討が必要

意匠性を重視しながら透水機能を確保したい場所で、有効な選択肢となります。

3. 4種類の透水性舗装を一覧で比較

それぞれの工法には異なる特徴があります。主な傾向を比較すると、次のようになります。

舗装の種類主な特徴景観・デザイン性費用の傾向
透水性アスファルト広い面積の施工に適する比較的シンプル比較的抑えやすい
透水性コンクリート剛性と透水性を備える仕上げの選択肢による配合・工法による
透水性インターロッキング色・形状・配列を選べる高い中程度~高め
天然石樹脂透水舗装天然石の質感を活かせる高い高めになる傾向

※比較は一般的な傾向です。実際の性能や費用は製品仕様、舗装構造、施工面積、現場条件などによって変わります。

なお、必要な強度は材料の名称だけで一律に判断できません。どの工法でも、使用条件に合った仕様を選ぶ必要があります。

4. 用途別に考える透水性舗装の選び方

それでは、実際の外構や歩道では、どのような考え方で舗装材を選べばよいのでしょうか。

公園・遊歩道

公園や遊歩道では、歩きやすさ、雨天時の快適性、周囲の景観との調和などが求められます。

広い面積で経済性や施工性を重視する場合は、透水性アスファルト舗装などが候補になります。

一方、自然の景観や植栽との調和を重視する場合は、天然石樹脂透水舗装なども検討できます。

商業施設・公共施設のエントランス

建物のエントランスでは、舗装の色彩や質感が建物全体の印象に影響します。

そのため、単に透水性があるだけでなく、建築デザインに合った材料を選ぶことが重要です。

天然石樹脂透水舗装やインターロッキングブロック舗装は、色やデザインの選択肢を持つため、景観性を重視する計画に適しています。

住宅のアプローチ・外構

住宅外構では、限られたスペースの中で歩行性や排水性、意匠性などを考える必要があります。

周囲の植栽や建物の外観との調和を重視する場合には、天然石を活かした舗装材などが候補になります。

ただし、駐車スペースを兼ねる場合は、車両荷重への対応も確認が必要です。

駐車場・車両通行部分

車両が通行する場所では、舗装の透水性能だけでなく、強度や耐久性が重要です。

特に、発進・停止・切り返しなどによって舗装面に大きな負荷がかかる場所では、製品の適用条件を確認する必要があります。

歩行者用の透水性舗装を、そのまま駐車場へ採用できるとは限りません。

5. 透水性舗装は「下地構造」にも注意

舗装材を選ぶ際に、意外と見落とされがちなのが下地の構造です。

例えば、舗装材自体が高い透水性能を持っていても、下地に不透水性のコンクリートを使用している場合、そのままでは雨水を地中まで浸透させることはできません。

この場合、舗装内部を通過した雨水を適切に排水する仕組みが必要です。

一方、雨水を地中に浸透させることを目的とする場合には、透水性のある舗装材に加え、路盤や路床を含めた構造の検討が必要となります。

つまり、「透水性の高い材料を選ぶこと」と「雨水を地中へ浸透させる舗装を設計すること」は、必ずしも同じではありません。

設計の際には、材料単体の透水係数だけでなく、路盤構成や地盤の透水能力、必要な排水設備なども確認しましょう。

6. 景観性と透水性を両立する天然石舗装

透水性舗装を検討する際、雨水対策に加えて、建物や周囲の景観に調和する仕上がりを求められることがあります。

そうした場所で検討したいのが、天然石を使用した透水性樹脂舗装です。

天然石にはさまざまな色や形状があり、石の組み合わせによって、建物や周辺環境に合った舗装デザインを選ぶことができます。

ヤブ原産業では、天然石を活かした透水性舗装として「アーバンロック」と「トウスイ40」を取り扱っています。

アーバンロック|天然石の意匠性を活かした透水性舗装

アーバンロックは、天然石を樹脂で結合させた透水性舗装材です。

石の自然な風合いと豊富なカラーバリエーションが特徴で、公園や歩道、建物のアプローチなど、さまざまな景観に合わせた仕上がりが可能です。

標準的にはコンクリートなどの下地上に施工するため、雨水の処理方法については、下地構造に応じた検討が必要です。

トウスイ40|下地構造も含めた天然石透水舗装システム

トウスイ40は、天然石の景観性に加え、舗装の下層まで雨水を通す構造を特徴とする透水性舗装システムです。

一般的なコンクリート下地を必要とせず、透水性を持つベース材と天然石の表層仕上材を組み合わせることで、雨水を路床まで浸透させることを目的としています。

標準構成は、ベース材30mmと表層仕上材10mmの合計40mm厚です。

天然石の色彩や質感を活かしながら、雨水浸透にも配慮した舗装を検討できます。

なお、実際の採用にあたっては、路盤や路床の条件、通行荷重、排水計画などの確認が必要です。

7. まとめ|透水性舗装は用途と目的に合わせて選ぶ

透水性舗装には、アスファルト、コンクリート、インターロッキングブロック、天然石樹脂舗装など、さまざまな種類があります。

それぞれ施工性や強度、景観性、費用などが異なるため、使用する場所や求める機能に応じた選定が重要です。

広い面積の歩道や園路では施工性や経済性、商業施設や建物外構では景観性、車両通行部分では強度や耐久性など、それぞれ重視するポイントが変わります。

また、雨水を地中まで浸透させる場合には、舗装表面だけでなく、下地構造を含めた設計が必要です。

透水性舗装は、単に雨水を通す材料を選ぶのではなく、「どこに、どのような目的で使用するか」を考え、機能性・耐久性・景観性のバランスを取ることが大切です。

▶ 透水性舗装とは?メリット・デメリット、種類や構造、施工事例を解説

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