コンクリート洗い出しとは?メリット・デメリットと種類・施工事例を解説

2025.04.10

天然石の粒や色合いを活かし、玄関アプローチや駐車場、商業施設の床に上質な表情を与えるコンクリート洗い出し仕上げ。意匠性が高い一方、施工方法や下地条件、滑り抵抗など、選ぶ前に知っておきたい点もあります。

この記事では、洗い出しのメリット・デメリット、施工方法、用途別の選び方を整理。さらに、従来の水洗い工法と水洗い不要の樹脂系洗い出し材の違いを、実際の施工事例とともに解説します。

この記事のポイント
洗い出しは「天然石の意匠性」と「骨材の表情」が特長。ただし、すべての工法・製品が同じ性能ではありません。 使用場所、下地、必要な滑り抵抗、施工厚に合わせた選定が重要です。

01 / BASIC KNOWLEDGE

コンクリート洗い出しとは?

洗い出し仕上げとは、コンクリートやモルタルなどの表面に、砂利や天然石などの「骨材」を露出させる仕上げ方法です。

伝統的な工法では、施工した材料が硬化する前に表層のセメント分を水で洗い流し、石の粒を浮かび上がらせます。骨材の色・大きさ・組み合わせによって、多彩なデザインが可能です。

現在では、天然石と樹脂バインダーなどを使用し、水洗いせずに洗い出し風の表情をつくる仕上げ材もあります。

テクストンTX-885の天然石骨材と目詰め材の表情を近接撮影した画像
天然石の形状や目詰め材の色で印象が変わる洗い出し仕上げ

従来の洗い出しと樹脂系洗い出し材の違い

比較項目 従来のセメント系水洗い工法 水洗い不要の樹脂系洗い出し材
主な材料 セメント、骨材など 天然石、樹脂バインダー、目詰め材など
仕上げ工程 表面を適切なタイミングで水洗い 製品仕様に従って塗り付け・目詰め・拭き取り
施工上の要点 洗い出すタイミング、骨材の露出、養生 下地の平滑性・乾燥状態、材料配合、養生
主な用途 外構、庭、アプローチなど 外構、エントランス、屋内床など(製品別)

※樹脂系仕上げ材の特性は製品ごとに異なります。テクストン/彩洗い出しは水洗い不要の工法です。

02 / ADVANTAGES

コンクリート洗い出しの4つのメリット

MERIT 01天然石ならではの上質な意匠

白・グレー・茶・黒などの石を選べ、和風から現代建築まで外観に調和する表情をつくれます。

MERIT 02滑り抵抗を考慮しやすい表面

露出した骨材の凹凸を活かせます。ただし、安全性は濡れ・摩耗・仕様によって変わり、性能の確認が必要です。

MERIT 03さまざまな建築用途に対応

玄関、屋外通路、階段、商業施設のエントランスなどで採用されます。製品ごとの適用範囲が前提です。

MERIT 04周囲の素材と調和する

木材・石材・植栽・コンクリートと組み合わせやすく、景観に連続性を与えられます。

天然石洗い出しを採用した建築外構の段差・歩行床と植栽
建築や植栽と調和する天然石洗い出しの舗装意匠
03 / POINTS TO CONSIDER

施工前に知っておきたい5つのデメリット・注意点

1. 施工条件によって仕上がりに差が出る

従来の工法は水洗いのタイミングが重要です。硬化状態を見誤ると骨材の露出や表面の均一性に影響します。水洗い不要の材料でも、塗り付けや目詰めの工程には正しい施工管理が必要です。

2. 下地のひび割れ・不陸の影響を受ける

仕上げ材だけで下地の動きやひび割れを防ぐことはできません。下地の強度、乾燥状態、目地や排水計画を事前に確認しましょう。

3. 汚れや摩耗に応じた清掃が必要

土砂、落ち葉、苔、白華などは使用環境によって生じます。高圧洗浄や強い洗剤の可否は材料ごとに異なるため、製品のメンテナンス仕様に従ってください。

4. 一般的な土間仕上げより費用が増える場合がある

材料と工程が増えるため、金鏝仕上げ・刷毛引き仕上げより費用がかかることがあります。見積もりでは下地工事・補修・仕上げ・目地・諸経費の範囲を統一して比較することが重要です。

洗い出しコンクリートの費用相場を詳しく見る →

5. すべての製品が車両・重歩行に適するわけではない

外構、階段、駐車場などで必要な強度や防滑性は異なります。テクストンでも一部品番は軽歩行向けです。駐車場や高頻度通行部分は採用品番と施工条件を確認してください。

04 / CONSTRUCTION METHOD

洗い出しの施工方法|水洗い工法と水洗い不要の工法

従来のセメント系水洗い工法

一般的には、下地・勾配の確認 → 材料の施工 → 適切なタイミングで表層の水洗い → 清掃・養生の順に進めます。工法によって配合や工程は異なり、温度・湿度・風などで洗い出しの適切なタイミングが変化します。

テクストン/彩洗い出し(水洗い不要)

天然石と樹脂バインダーを使用し、プライマー、骨材の塗り付け・鏝押さえ、養生、目詰め材施工、拭き取りといった工程で仕上げます。従来工法のように表面を水洗いする必要はありません。

厚みは骨材によって異なります。
テクストンの標準仕上げ厚は、2分石が8mm、3分石が10mm。これは仕上げ層の厚みで、構造的なコンクリート下地の厚みとは異なります。施工条件は現行の製品資料で確認してください。

洗い出しの施工方法を詳しく読む → / テクストンの商品・色見本を見る →

05 / APPLICATION

玄関・駐車場・階段など、用途別の選び方

玄関・アプローチ

外壁や植栽との色の相性、降雨時の歩行、勾配・排水計画を確認。

駐車場・ガレージ

車両重量・走行頻度・タイヤの据え切りを考慮し、適用品番を選定。

階段・スロープ

意匠だけでなく濡れた状態での滑り抵抗と納まりを重視。

商業施設・屋内床

通行人数、清掃、下地、屋内外の意匠の連続性を確認。

色・石粒の印象を見比べるときは、施工写真と色見本を参考にしたうえで、最終的には実物サンプルで確認することをおすすめします。

DESIGN FREEDOM / THE ARAIDASHI

曲線も、勾配も、色も。設計者の自由な発想を形にする洗い出し材

ヤブ原産業の洗い出し仕上げ材

洗い出し仕上げを選ぶ理由は、天然石の美しさだけではありません。The Araidashiシリーズは、曲線を活かした有機的なフォルム、勾配のあるポーチ、複雑な形状の壁面など、建築の形に合わせた意匠表現を支えます。施工部位や条件に応じて、床用のテクストン、立上り・壁面用のビーンズウォールなどを検討できます。

01 / FORM

曲線・勾配に合わせる

有機的な曲線や傾斜を取り入れた床面など、規格材では表現しにくい意匠にも柔軟に対応。採用可否は製品仕様・下地条件に応じて検討します。

02 / COLOR

色分け・特注色で表現する

天然石と目詰め材の組み合わせに加え、色の塗り分けや特注色にも対応。建築や施設のブランドイメージを床・壁のデザインへ落とし込めます。

03 / APPLICATION

空間に合わせて素材を選ぶ

屋外の歩行者動線や駐車場、壁面など、求められる意匠・性能に応じて製品を選定。実際の採用条件は用途と施工仕様を確認します。

デザインの自由度を支えるのは、35年以上の技術蓄積とシリーズ累計100万㎡超の施工実績です。さらに、メーカー責任施工商品では材料選定と工事を一体で管理し、設計意図の再現と品質の安定を目指します。

100万㎡超シリーズ累計施工実績
35年以上開発・改良と品質管理
国内唯一メーカー責任施工対応(公式案内)
06 / PROJECT REFERENCES

洗い出しの施工実績|用途の違いを写真で比較

ヤブ原産業の天然石洗い出し舗装材「テクストン」を採用した事例です。面積や使用部位、骨材の選定など、仕上げ材選びの参考になります。

MUFGスタジアム(国立競技場)のテクストンを採用したデッキ床

PUBLIC FACILITY

MUFGスタジアム(国立競技場)

施工範囲
デッキテラス・外構階段など
面積
約4,900㎡

天然石洗い出し舗装を屋外デッキや階段の広い範囲に採用。特注2色の骨材で建築や周辺景観と調和する床面を形成しています。

施工実績の詳細を見る →

近鉄四日市駅前よんまるテラスの曲線デッキを洗い出し仕上げにした歩行床

PEDESTRIAN DECK

近鉄四日市駅前「よんまるテラス」

使用製品
テクストン TX-644
面積
321㎡

円形の歩行者デッキの床に採用。曲線に沿う床デザインと、天然石の穏やかな風合いが特長です。

施工実績の詳細を見る →

渋谷区個人邸の内部廊下に施工されたテクストンTX-865の洗い出し仕上げ

RESIDENTIAL INTERIOR

渋谷区個人邸

使用製品
テクストン TX-865(つや消し)
面積
32㎡

住宅内部の廊下・階段・壁へ採用した事例。天然石の表情を、落ち着いた室内デザインに取り入れています。

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その他の洗い出し施工実績を見る →

07 / FAQ

コンクリート洗い出しのよくある質問

洗い出し仕上げは雨の日でも滑りませんか?

骨材の凹凸を利用できますが、「必ず滑らない」とは言い切れません。雨天時の条件、骨材、施工仕様、摩耗状態によって性能が変わるため、階段やスロープでは採用製品の滑り抵抗値を確認してください。

駐車場にも使えますか?

駐車場への施工に対応した製品・仕様があります。ただし、乗用車か重量車両か、走行・据え切り頻度、下地条件によって適否が異なります。軽歩行向けの品番を高負荷の場所に使用しないよう注意が必要です。

洗い出し仕上げの厚みは何mmですか?

工法や骨材によって異なります。例えばテクストンの2分石仕様は8mm、3分石仕様は10mmの仕上げ厚です。コンクリート下地の必要厚とは別の数値です。

施工費用はどのように比較すればよいですか?

表面仕上げだけの費用なのか、下地コンクリートや補修・目地・養生を含むかを揃えて比較しましょう。費用の詳細は洗い出し費用相場の記事をご参照ください。

洗い出し材は室内にも施工できますか?

屋内への施工に対応する製品があります。テクストンの実際の屋内施工事例もありますが、下地や用途、清掃条件に合わせた仕様選定が必要です。

08 / SUMMARY

まとめ|洗い出しの魅力を活かすには材料選びが重要

コンクリート洗い出しは、天然石の素材感と豊かな意匠を活かせる仕上げ方法です。外構、玄関、階段、商業施設など、多様な空間で検討できます。

一方、滑り抵抗・耐久性・施工厚・費用は、工法や材料、下地条件によって違います。実際の使用場所に合う製品を選び、施工写真とサンプルで仕上がりを確認することが、納得のいく計画につながります。

  • 使用場所に適した骨材・仕上げ仕様を選ぶ
  • 下地・排水・目地・養生条件を確認する
  • 設計者・施工者と写真・現物サンプルを共有する


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