プロが教える洗い出し仕上げのお手入れ方法と注意点

洗練された和の雰囲気を醸し出し、見る人に上品な印象を与える「洗い出し仕上げ」。
石や砂利の自然な風合いが魅力で、玄関のアプローチや庭、和室の床などに広く用いられています。
しかし、その美しい見た目を維持するためには、適切なお手入れが欠かせません。
洗い出し仕上げは、セメントや樹脂で固めた砂利や石の表面を洗い流して仕上げるため、小さな凹凸が多く、汚れが溜まりやすいという特徴があります。
「洗い出しの黒ずみが気になる…」「どうやって掃除すればいいの?」といった疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
この記事では、洗い出し仕上げのプロが、日常的なお手入れから頑固な汚れの除去方法、さらには注意すべきNG行為まで、洗い出しの美しさを長く保つためのポイントを徹底的に解説します。
毎日できる洗い出しのお手入れ方法と基本のコツ

洗い出し仕上げの美観を保つための基本は、汚れが定着する前にこまめに掃除をすることです。
日常的なお手入れは、特別な道具も必要なく、誰でも簡単にできます。
掃き掃除と水洗いが基本
まずは、ホウキやブラシを使って、表面に溜まった砂や土、枯れ葉などをこまめに掃き掃除しましょう。
特に、雨の後や風の強い日には、こまめに行うことで、汚れがこびりつくのを防げます。
その後、水をかけてタワシやデッキブラシで軽くこすり洗いを行います。
このとき、高圧洗浄機を使うのは避けてください。
高圧洗浄機の強い水圧は、洗い出しの目地を傷つけたり、中の砂利や石を剥がしてしまう恐れがあるからです。
汚れの種類に合わせた洗い出しのお手入れ方法

洗い出し仕上げに付着する汚れは、主に「カビ・苔」「泥汚れ」「油汚れ」の3つに分けられます。
それぞれの汚れに合わせたお手入れ方法を実践することで、効率よくきれいにすることができます。
1.苔やカビの除去
特に日当たりが悪く、湿気がこもりやすい場所に発生しやすいのが、苔やカビです。
緑色や黒色のカビ・苔は、見た目を損なうだけでなく、滑りやすくなる原因にもなります。
・用意するもの
塩素系漂白剤、中性洗剤、ブラシ、ゴム手袋、保護メガネ
・方法
1.まず、ブラシで表面の苔やカビを物理的に擦り落とせるだけ落とします。
2.次に、水で薄めた塩素系漂白剤(カビ取り剤でも可)を、苔やカビが生えている部分に塗布します。
3.しばらく時間を置くと、カビや苔が浮き上がり、色が薄くなってきます。
4.最後に、水でしっかりと洗い流します。この際、漂白剤が残らないように十分にすすぎを行いましょう。
※塩素系漂白剤を使用する際は、周囲の植物にかからないように注意し、必ずゴム手袋と保護メガネを着用してください。
2.泥汚れや土汚れの除去
雨や風によって付着した泥や土は、時間が経つと固まり、簡単には落ちなくなります。
・用意するもの
中性洗剤、デッキブラシ
・方法
1.まず、水をかけて泥を柔らかくします。
2.中性洗剤を泥汚れがひどい部分に直接かけ、デッキブラシでゴシゴシと擦り洗いします。
3.泡が立ったら、洗剤が残らないようにしっかりと水で洗い流します。
3.油汚れの除去
バーベキューの油や車のオイルなどが付着した場合、放置するとシミになってしまうため、早急な対処が必要です。
・用意するもの
油汚れ用洗剤(アルカリ性洗剤)、ブラシ
・方法
1.油汚れの上に、油汚れ用洗剤を直接かけます。
2.洗剤をかけた部分をブラシで念入りに擦ります。
3.汚れが浮き上がってきたら、たっぷりの水で洗い流します。
洗い出しのお手入れで気をつけたいNG行動と注意点

洗い出し仕上げの掃除をする際には、いくつかの注意点があります。
誤った方法でお手入れをすると、かえって洗い出しを傷めてしまうことがあるので、注意が必要です。
1.高圧洗浄機を使わない
前述したように、高圧洗浄機の強い水圧は、洗い出し仕上げのセメント部分を削り取り、中の砂利や石を剥がしてしまう恐れがあります。
表面が剥がれてしまうと、修復には専門的な工事が必要になり、高額な費用がかかる可能性があります。
2.金ブラシやたわしで強く擦りすぎない
頑固な汚れを落とそうとして、金ブラシや硬すぎるブラシで強く擦ると、表面の砂利や石に傷をつけてしまうことがあります。
柔らかめのブラシやデッキブラシを使い、優しく丁寧に洗いましょう。
3.酸性洗剤を使わない
頑固な水垢や錆びを落とすために、酸性洗剤を使いたくなるかもしれませんが、洗い出し仕上げはセメントを主成分としているため、酸性洗剤を使うと化学反応を起こして白く変色してしまうことがあります。
洗い出しのお手入れをプロに頼むときの目安と注意点

自分で掃除をしても汚れが落ちない場合や、広範囲にわたる汚れは、プロの業者に相談することをおすすめします。
プロは、洗い出し専用の洗剤や特殊な機材を使って、素材を傷つけずに汚れをきれいに除去してくれます。
プロに依頼するタイミング
・自分で掃除をしても、カビや汚れが落ちない場合
・長年の蓄積による黒ずみがひどい場合
・広範囲にわたる洗浄が必要な場合
業者選びのポイント
・洗い出しの施工実績があるか
洗い出し仕上げは特殊な技術が必要です。実績が豊富な業者を選びましょう。
・見積もりの内容が明確か
使用する洗剤や工法、費用が明確に記載されているか確認しましょう。
定期的なお手入れと、プロによる適切なメンテナンスを組み合わせることで、洗い出し仕上げの美しい風合いを長く保つことができます。
この記事でご紹介した方法を参考に、ぜひあなたのご自宅の洗い出しをきれいに保ってください。
この記事を読んで気になったことがあれば、お気軽にお問い合わせください。
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