【洗い出し仕上げ】点字ブロックは先?後?キレイに納める施工の秘訣

2025.05.24

設計事務所の皆様、そして日々現場で腕を振るう施工業者の皆様、こんにちは!日本の伝統的な左官仕上げの一つである「洗い出し仕上げ」。その独特の風合いと美しさから、近年、店舗のエントランスや住宅のアプローチ、公共施設など、さまざまな場所で採用されるケースが増えていますね。

さて、そんな洗い出し仕上げの床を計画・施工される際、特にお問い合わせをいただくことが多いのが「点字ブロック」の設置についてです。具体的には、「洗い出しを塗ってから点字ブロックを設置するのか、それとも点字ブロックを先に設置してから洗い出しを施工するのか、どちらが良いのか?」というご質問です。

この順序、実は仕上がりの美しさや作業効率に大きく関わってきます。今回は、この疑問にズバリお答えし、なぜその順序が良いのか、その理由とポイントを詳しく解説していきます

点字ブロックは「先付け」か「後付け」か

床の舗装において、洗い出し仕上げと点字ブロックを組み合わせる場合、施工の段取りとして考えられるのは以下の2パターンです。

  1. 後付け:先に洗い出し仕上げを全面に行い、硬化後に点字ブロックの形状に合わせてカッターで切り込みを入れたり、ハツったりして点字ブロックをはめ込む方法。
  2. 先付け:点字ブロックを予定位置にまず設置・固定し、その周囲に洗い出し材を充填して仕上げる方法。

どちらの方法も施工自体は可能ですが、私たちがお勧めするのは、圧倒的に後者、つまり「点字ブロックを先に付ける」方法です。

結論:点字ブロックは「先」に設置が正解!その理由は?

なぜ、点字ブロックを先に設置する方が良いのでしょうか?その主な理由は、「仕上がりの美しさ」と「手間の削減」にあります。
理由1:点字ブロックとの取り合い(境目)が格段にキレイ!
もし、洗い出し仕上げを先に行ってしまうと、後から点字ブロックを設置するために、硬化した洗い出し面を加工する必要があります。具体的には、点字ブロックのラインに沿ってカッターを入れたり、電動工具でハツったりする作業が発生します。
この作業、熟練の職人さんでも非常に気を使うものです。どうしてもカッターの刃が予定のラインからわずかにズレてしまったり、ハツる際に洗い出しの角が欠けてしまったり、表面がギザギザになってしまったりするリスクが伴います。せっかく美しく仕上げた洗い出しの端部が、この加工によって見栄えが悪くなってしまうのは非常にもったいないですよね。
一方、点字ブロックを先にしっかりと据え付けてから、そのブロックの縁(ふち)に合わせて洗い出し材を丁寧に塗り込んでいけば、境界面は非常にシャープで滑らかに仕上がります。余計な加工がないため、欠けやギザつきの心配もありません。
理由2:洗い出し面の汚損や補修リスクを回避!
「後付け」の場合、点字ブロックを設置するための加工時に、粉塵が飛散したり、工具が接触したりして、周囲の洗い出し面を汚してしまう可能性があります。また、万が一、加工に失敗して角が大きく欠けたりした場合は、部分的な補修が必要になることも。
補修は時間もコストもかかりますし、補修箇所が完全に元の状態と同じになるとは限りません。このような余計な手間やリスクを考えると、やはり「先付け」に軍配が上がります。
理由3:作業効率の向上
点字ブロックを先に設置することで、洗い出しを塗る範囲が明確になります。点字ブロックが「見切り材」のような役割も果たしてくれるため、左官職人さんは作業に集中しやすくなります。結果として、作業全体の効率アップにもつながるのです。

点字ブロックに限らず「埋設物」は基本的に「先付け」がセオリー

この「先に設置する」という考え方は、なにも点字ブロックに限った話ではありません。
例えば、
・見切り材(縁石、金属バーなど)
・排水溝のフタやグレーチング
・地面に埋め込むタイプの照明器具
・マンホール
など、洗い出し仕上げの内部に設置されるものや、洗い出しと接する部材がある場合は、基本的にこれらを洗い出し施工前に正確な位置へ取り付けていただくのが、美しい仕上がりを実現するためのセオリーと言えます。
私たちがご提供する洗い出し仕上げは、まず砂利などの骨材を特殊な樹脂で所定の厚みに敷き固めます。その後、その骨材の隙間を埋めるように専用のセメントペーストを丁寧に流し込み、一体化させる独自の方法を採用しています。この製法により、骨材一つひとつの美しい表情はそのままに、高い耐久性とフラットな仕上がりを両立させることができます。しかしながら、このように天然石とセメントペーストで強固に一体化された仕上げ面に、後からカッターを入れたり部分的にハツったりする作業は、どうしても端部が不揃いになったり、樹脂ごと骨材が欠けてしまったりと、意図しない部分まで影響が出てしまう可能性があります。一度完成させた繊細な仕上げの質を、後加工によって損ねてしまうのは避けたいところです。

ひと手間で美しい仕上がりと効率アップを!

今回は、洗い出し仕上げにおける点字ブロックの設置順序について、「点字ブロックは先に設置する」のが正解であり、その理由を解説しました。
【ポイントのおさらい】
・結論: 点字ブロックは「先」に設置する。
・理由:
点字ブロックとの境目がキレイに仕上がる。
洗い出し面の汚損や角欠け、補修のリスクを減らせる。
作業効率が向上する。
・応用: 見切り材やその他の埋設物も同様に「先付け」が基本。

この記事が、皆様の洗い出し仕上げに関する疑問解決の一助となれば幸いです。
洗い出し仕上げは、その独特の風合いと美しさで空間を引き立てますが、同時に正しい知識と丁寧な施工がその魅力を最大限に引き出します。

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サイト内では、洗い出し仕上げの魅力、様々なデザインの可能性、そしてお客様の理想を形にするためのヒントをご覧いただけます。ぜひ一度ご覧いただき、その質感と可能性を実感してください。

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