透水性舗装の構造と下地とは?断面図でわかる仕組みと設計の注意点

2026.10.29

「舗装の表面が水を通せば、それで十分なのか?」

雨水を地中に浸透させる透水性舗装。

近年、雨水の流出抑制や水たまり対策などを目的として、歩道や公園、建物の外構などで採用が検討されています。

しかし、透水性舗装を設計する際に重要なのは、表面の舗装材だけではありません。

どれほど透水性能の高い材料を使用しても、その下に不透水性のコンクリートがあれば、雨水はそこで止まってしまいます。

透水性舗装の性能を十分に活かすためには、舗装材と下地を一体で考えることが大切です。

この記事では、透水性舗装の基本的な断面構成、下地の種類、透水係数の考え方、設計・施工時の注意点などを、舗装材料メーカーの視点からわかりやすく解説します。

1. 透水性舗装は下地構造が重要

透水性舗装とは、舗装表面から雨水を内部へ通す構造を持つ舗装です。

一般的に舗装は、表層、路盤、路床などの層によって構成されています。

通常の舗装では、雨水を表面の勾配によって側溝などへ排水します。

一方、透水性舗装では、舗装内部に設けられた連続した空隙を通じて雨水を下層へ移動させます。

ただし、舗装材自体に透水性があっても、下地の構造によって雨水の処理方法は異なります。

コンクリート下地の場合

透水性舗装材の下に不透水性のコンクリートを施工した場合、雨水は表層を通過しても、そのまま地中へ浸透することはできません。

そのため、舗装内部に入り込んだ雨水を適切に排水するための勾配や排水経路が必要になります。

透水性の下地の場合

透水性のある表層と路盤を組み合わせることで、雨水を舗装の下層へ浸透させることができます。

さらに路床や原地盤に十分な浸透能力があれば、雨水の地中浸透を促すことが可能です。

つまり、「舗装材が水を通すこと」と「雨水が地中まで浸透すること」は、必ずしも同じではありません。

透水性舗装の基本的な仕組みやメリット・デメリットについては、こちらの記事でも詳しく解説しています。

▶ 透水性舗装とは?メリット・デメリットと種類・施工事例を解説

2. 透水性舗装の基本的な断面構成

透水性舗装の構造は工法や用途によって異なりますが、一般的には表層・路盤・路床などの層から構成されます。

それぞれの役割を理解することが、適切な舗装設計につながります。

① 表層|歩行性や景観性を左右する部分

表層は、人や車両が直接接する舗装の最上部です。

透水性アスファルト、ポーラスコンクリート、透水性インターロッキングブロック、天然石樹脂舗装など、さまざまな材料が使用されます。

表層には、雨水を通す機能に加え、歩行性や耐久性、滑り抵抗性、景観性などが求められます。

② 路盤|荷重を支え、雨水を通す部分

路盤は表層の下に設けられ、舗装にかかる荷重を分散し、路床へ伝える役割を持ちます。

透水性舗装では、雨水を下層へ通したり、一時的に貯留したりする機能を持たせることがあります。

ただし、透水性を確保するために空隙を増やすだけでは、必要な支持力を満たせない場合があります。

荷重条件に応じて適切な路盤材や厚さを選定することが重要です。

③ 路床|舗装全体を支える地盤部分

路床は、舗装構造を支える土の部分です。

路床浸透型の舗装では、雨水をさらに地中へ浸透させる役割もあります。

そのため、路床の支持力と浸透能力の両方を確認することが重要です。

地盤が透水しにくい場合には、雨水が滞留する可能性があるため、別の排水方法を検討する必要があります。

3. 透水性舗装の構造は大きく2つに分けられる

透水性舗装には、雨水の処理方法によって「路床浸透型」と「一時貯留型」という考え方があります。

① 路床浸透型

路床浸透型は、舗装表面に降った雨水を、表層や路盤を通して地中へ浸透させる構造です。

自然の水循環に配慮した舗装として、歩道や公園、建物外構などで検討されます。

ただし、十分な効果を得るためには、路床や原地盤に適切な浸透能力があることが前提となります。

② 一時貯留型

一時貯留型は、舗装内部や路盤の空隙に雨水を一時的に貯留し、排水管などを通じて徐々に放流する構造です。

地盤への浸透が難しい条件でも、雨水の流出を遅らせる方法として採用を検討できます。

ただし、貯留能力や排水設備、降雨条件などを考慮した設計が必要です。

どちらを採用するかは、地盤条件、雨水処理の目的、現場の立地条件などによって判断します。

4. 透水係数とは?透水性能を比較する際の考え方

透水性舗装を検討する際によく使われる数値が「透水係数」です。

透水係数とは、一定の条件のもとで、水が材料や地盤をどの程度通りやすいかを示す指標です。

一般的にはcm/sなどの単位で表され、数値が大きいほど水を通しやすいことを意味します。

例えば、

  • 1.0×10⁻² cm/s
  • 1.0×10⁻¹ cm/s

という2つの値では、後者の方が透水係数は大きくなります。

ただし、透水係数が高ければ、どのような現場でも十分な雨水浸透が得られるとは限りません。

舗装材単体の透水係数だけでは判断できない

舗装材の透水係数は、材料自体の水の通しやすさを示す重要な指標です。

しかし、舗装全体の雨水処理能力は、下地の透水性や地盤の条件、舗装の構成によっても左右されます。

例えば、表層の透水係数が高くても、その下の地盤がほとんど水を通さなければ、雨水が滞留する可能性があります。

また、試験方法や試験条件が異なる数値を単純に比較することにも注意が必要です。

設計にあたっては、材料単体の性能だけでなく、舗装構造全体の性能を確認することが重要です。

5. 透水性舗装を設計する際の注意点

① 地盤の浸透能力を確認する

路床浸透型を採用する場合、最初に確認したいのが地盤の浸透能力です。

現場の地質や地下水位などによって、雨水の浸透条件は異なります。

必要に応じて現地調査や浸透試験を行い、適用可能な構造を検討します。

② 舗装に必要な強度を確保する

舗装の必要強度は、歩行者の利用が中心なのか、車両が通行するのかによって異なります。

特に車両の通行や切り返しが発生する場所では、表層の耐久性だけでなく、路盤や路床の支持力にも注意が必要です。

③ 雨水の排水経路を考える

透水性舗装であっても、すべての雨水を地中へ浸透できるとは限りません。

強い降雨が続く場合や、地盤の浸透能力が不足する場合に備え、必要に応じて適切な排水設備を設けることが重要です。

また、建物基礎や地下構造物の近くでは、雨水の浸透による影響にも配慮する必要があります。

④ 施工時に透水性能を損なわない

透水性舗装は、施工時の材料管理や品質管理も重要です。

下地への細粒分の混入、材料の過度な締固め、不適切な施工方法などによって、設計上の透水性能が十分に発揮されない場合があります。

使用する工法に応じた施工管理が必要です。

⑤ 維持管理を考える

透水性舗装は、経年によって土砂や細かなごみなどが空隙に入り込み、透水性能が低下することがあります。

周辺から土砂が流れ込みやすい場所では、特に注意が必要です。

舗装材の種類や使用環境に合わせて、適切な点検や清掃を検討しましょう。

透水性舗装には、用途に応じたさまざまな工法があります。

アスファルト、コンクリート、インターロッキングブロック、天然石樹脂舗装の特徴や選び方については、こちらの記事で比較しています。

▶ 透水性舗装の種類と選び方|4種類の工法を比較

6. 天然石の景観性と透水構造を両立する「トウスイ40」

ここまで説明したように、透水性舗装では表面の舗装材だけでなく、下地構造を含めた検討が重要です。

一方、建物のエントランスや公園、公共施設の外構などでは、透水性能に加えて景観性も求められます。

こうした場所で検討したいのが、天然石の風合いを活かした透水性舗装です。

ヤブ原産業の「トウスイ40」は、天然石の意匠性と下地の透水性を組み合わせた舗装システムです。

トウスイ40の基本構造

トウスイ40は、天然石を使用した表層仕上材と、透水性を持つベース材によって構成されています。

標準構成は次のとおりです。

構成厚さ
表層仕上材10mm
透水性ベース材30mm
合計40mm

※上記は製品の標準構成です。現場に必要な路盤や路床の設計を含む全舗装厚を示すものではありません。

一般的なコンクリート下地を必要としないため、適切な路盤・路床条件のもとで、雨水を地中へ浸透させる構造を計画できます。

また、天然石ならではの色彩や質感を活かすことで、周辺環境と調和した景観舗装としても検討できます。

トウスイ40の透水性能

トウスイ40は、天然石の美しさと優れた透水性能を兼ね備えた舗装システムです。

透水係数は2.55×10⁻¹ cm/s(試験値)と高い透水性を有しており、雨水を速やかに舗装内部へ浸透させます。

また、透水性のあるベース材と天然石の表層仕上材を組み合わせた構造により、雨水を路床までスムーズに導きます。

機能性だけでなく、天然石ならではの色彩や質感を活かせることも、トウスイ40の大きな特長です。

※実際の雨水浸透性能は、路床の透水能力や現場条件などによって異なります。

トウスイ40の詳しい製品情報はこちら

トウスイ40の標準断面図やカラーバリエーション、施工事例などについては、商品紹介ページをご覧ください。

▶ トウスイ40|天然石透水舗装システム

7. まとめ|透水性舗装は表層から地盤まで考える

透水性舗装を設計する際に重要なのは、表面の舗装材だけで判断しないことです。

舗装材に十分な透水性があっても、その下の構造によって雨水の流れは異なります。

適切な舗装を計画するためには、表層材の透水性能に加え、路盤や路床の構造、地盤の浸透能力、通行荷重、排水設備などを総合的に検討することが必要です。

「水を通す舗装材を選ぶ」だけでなく、「雨水をどのように処理するか」まで考えることが、透水性舗装の設計では大切です。

また、天然石を使用した透水性舗装など、雨水対策と景観性の両立を目指した製品もあります。

用途や現場条件に合わせて、適切な材料と舗装構造を選びましょう。

透水性舗装をご検討の方へ

ヤブ原産業では、天然石の意匠性と透水性を兼ね備えた舗装材をご提案しています。

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