洗い出し仕上げに使える樹脂とは?特徴と選び方を徹底解説

洗い出し仕上げは、砂利や石の自然な質感を活かした美しい舗装技法として、古くから庭や外構などに広く用いられてきました。
従来はセメントと骨材で作られていましたが、近年ではより高い耐久性や施工性を求めて「樹脂」を使った洗い出し仕上げが注目されています。
本記事では、洗い出し仕上げに使える樹脂の種類や特徴、選び方、そして施工時の注意点まで、初心者にもわかりやすく解説します。
伝統と機能性を両立させたい方は、ぜひ参考にしてください。
洗い出し仕上げに樹脂を使う理由と近年の需要増加

かつての洗い出し仕上げは、モルタルやセメントに骨材(砂利や小石)を混ぜ、硬化前に表面を洗って仕上げるものでした。
しかしこの方法は、ひび割れや骨材の剥離、施工後の白華(エフロレッセンス)などの問題がつきものでした。
これらの課題を解決するため、樹脂バインダーを使用した洗い出し仕上げが登場しました。
樹脂を使うことで、以下のようなメリットが得られます。
・骨材の保持力が高く、剥がれにくい
・表面が均一で美しい仕上がりになる
・硬化時間が短く、施工効率が良い
・白華の発生が抑えられる
・柔軟性があるため、ひび割れしにくい
このように、機能性とデザイン性を兼ね備えた洗い出し樹脂仕上げは、一般住宅のアプローチから商業施設の景観舗装まで、さまざまな場所で採用が進んでいます。
主な洗い出し用樹脂の種類と特徴
洗い出しに使われる樹脂には、さまざまな種類が存在します。
それぞれに特徴や適性があり、用途に応じた選定が重要です。
以下に代表的な樹脂素材とその特長を紹介します。
ウレタン系樹脂
柔軟性に優れ、衝撃や振動にも強い樹脂です。
透水性舗装にもよく使われ、歩行者の安全性を高めるための外構デザインに最適です。
・柔らかくひび割れしにくい
・紫外線でやや黄変しやすい(対策品もあり)
・通気性の高い洗い出し舗装に向いている
エポキシ系樹脂
接着力が強く、硬化後は非常に強固な仕上がりになります。
屋内や雨がかからない場所に適しており、主にインテリアや施設内装に使用されます。
・高強度・高耐久
・耐薬品性が高い
・紫外線に弱く、屋外では劣化が早まる
アクリル系樹脂
比較的安価で使いやすく、透水性にも対応しやすい樹脂です。
DIYにも適しており、住宅まわりの軽作業に選ばれることが多いです。
・乾燥が早く施工性が良い
・耐久性はやや低めだがコスパが良い
・再塗装や補修がしやすい
洗い出し樹脂を選ぶ際のチェックポイント

洗い出し用の樹脂を選定する際には、以下のようなポイントを事前に確認しましょう。
用途や予算、施工環境によって最適な樹脂は異なります。
1.使用環境に合った耐候性
屋外に施工する場合は、紫外線や雨水、気温の変化に強い樹脂を選ぶことが重要です。
特に直射日光が当たる場所では、UV対策が施された樹脂を選びましょう。
2.透水性の有無
駐車場やアプローチなど、水はけが重要な場所では、透水性のある洗い出し樹脂が適しています。
水たまりや滑りを防ぐことで、安全性も向上します。
3.骨材との相性
使用する骨材(大磯砂利、那智黒石、白玉砂利など)との色味や密着性の相性も大切です。
試し塗りを行い、仕上がりの風合いを確認するのがおすすめです。
4.施工難易度と硬化時間
DIYで施工する場合は、作業時間に余裕のあるタイプや、取扱説明が明確な製品を選ぶと安心です。
業者施工なら、工期の短縮を重視した樹脂も検討材料になります。
洗い出し樹脂施工の流れと注意点

洗い出しに樹脂を使用する場合、基本的な施工手順は以下の通りです。
1.下地の清掃・整地
凹凸やゴミを除去し、平らな下地を作ります。
2.樹脂と骨材の混合
決められた比率で樹脂と骨材を混ぜます。
混合は時間との勝負なので、均一に手早く行うのがポイントです。
3.施工・圧着
所定の厚みに均等に敷き詰め、ローラーやコテで圧着します。
4.洗い出し作業
樹脂が半硬化状態になった段階で、表面の薄い樹脂膜を洗い流し、骨材を露出させます。
5.乾燥・養生
完全に硬化するまで養生し、通行・使用は控えます。
注意点
・樹脂は温度や湿度に大きく影響されるため、施工時期の選定が重要
・樹脂の扱いに慣れていない場合、ムラや不均一な硬化が起こることもある
・使用後の道具は樹脂が固まる前にすぐ洗浄する必要がある
洗い出し樹脂を使った活用事例とデザインの幅
樹脂を使った洗い出し仕上げは、機能性だけでなく意匠性の高さでも評価されています。
以下のような場面で活用されています。
・玄関アプローチ:和風・モダン問わず、自然な景観にマッチ
・商業施設の歩道や広場:耐久性とデザイン性を両立
・店舗のエントランス:雨でも滑りにくく、美観を長く保てる
・庭園や和風庭園の舗装:自然石の風合いを活かせる
骨材の種類や色を変えることで、オリジナル性の高いデザインも可能です。
樹脂の使用により施工性が向上し、複雑な模様や形状にも柔軟に対応できます。
洗い出し樹脂の特性を理解し、最適な選択を
洗い出し仕上げは、自然素材の美しさを活かせる人気の仕上げ方法ですが、従来のセメント系に比べて、樹脂を使うことで耐久性・施工性・デザインの自由度が格段に向上します。
洗い出し樹脂を上手に選び、施工すれば、機能性と美しさを両立した空間を実現できます。
プロ施工にもDIYにも対応可能な素材も増えている今、あなたの空間にぴったりの仕上がりを見つけてみてください。
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